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モバイル・インターネットは急成長中

まだまだ進行するモバイルファースト化

スマホを操作する男性
「モバイルファースト」という言葉がビジネスの場面に登場するようになったのは2009年のことで、米国の開発者であるルーク・ウルブルスキー氏が自著などで発表をしたことに始まります。
日本においては少し遅れて2012年に同氏がカンファレンスに招かれそこで講演をしたことで同じように「モバイルファースト」が次世代のITイノベーションを示す言葉として使用されるようになりました。

2012年というと日本国内で急激にスマートフォン契約者数が増え、以降急カーブで増加を続けて2015年には全携帯端末契約数のうち半数以上をスマートフォンが占めるほどになりました。
特にスマートフォンは男性よりも女性の所有率が高く、さらに10~20代だけで見ると全体の8割がスマートフォンを使用しているというデータもあり、それだけでまだまだ大きなビジネスの伸びしろを感じるところです。

話を「モバイルファースト」に戻すと、この言葉で示される概念はこれまでパソコンを使用して行われてきたサービスをモバイルツールで使用できるようにしていくことで大きな技術の発展を作り出すことができるということを示しています。

今では通信販売や各種事務的申し込みをするときにパソコンを使用するのが当たり前になってきている時代ですが、それらをさらにモバイル向けに特化していくことでまた新たなイノベーションを作り出す可能性があります。

いつでも・どこでも・誰でも利用できるところがポイント

「モバイルファースト」が提唱されているのは、パソコンの代わりとしてモバイルを使用するということだけではありません。
今ひとつ世間的に理解されていないと思うのがこの「代わりとして」の部分で、そこのみフォーカスした考えを持っている人がまた多く見られます。

確かにそれまでパソコンでしかできなかった手続きが起動の早いモバイル端末でできるようになるというのはとても便利ですが、それだけでは「モバイルファースト」の考え方としては十分ではありません。

本来的な「モバイルファースト」というのはパソコンにはないモバイルの機能に特化したサービスを提供していくということで、それはモバイル端末の持つ「いつでも・どこでも・誰でも」という自由度の高さを生かさないことには実現することができません。

最もわかりやすいのがモバイルの持つGPSを利用するという方法で、現在いる場所から最短距離で利用ができる飲食店を探すことができるという機能は多くのチェーン店が既に導入をしています。

さらにそのサービスを進めて、現在位置から最も近いお店を探すだけでなく、お得なクーポンがあるお店を表示したり、画面上で簡単に予約を入れることができるようにしたりといったこともできるところもあります。

他にもこれまでは申し込みと支払い、受け取りという三段階の手間が必要だったチケット発行を画面上で完結することができるようにするといった試みもANAがいち早く導入しています。

モバイルの強みがどこにあるかという理解が大切

とはいえモバイルファーストの考え方は既に世の中に知られるようになって数年が経過しているので、かなり便利な方法が世の中に浸透してきています。
最初に若い世代と女性が多くスマホを使用していると書きましたが、若者向け・女性向けのスマホアプリとして現実の生活にマッチした便利なものがいくつもスマッシュヒットを飛ばしています。

今後はそもそもパソコンで使用することを前提としないようなスマホが最初となるサービスが多く登場してくると思われています。
いずれにしても自社のサービスの強みをどのようにスマホ端末の機能の良さに組み合わせていくかということがサービスとして成功の鍵になっていくことでしょう。